FPSとは?
FPSとは、「Frames Per Second」の略で1秒(1フレーム)を表現するのに必要な画像数の単位です。
24FPSは1秒間の動画は、1秒当たり24枚の画像で出来ているという事です。
FPSは、動画編集や撮影を行う際に適切な値で設定する必要があります。不適切な設定であると、動画が不自然に飛んでしまったり、スローモーション表現に不可欠になる為、確実に理解しておく必要があります。
1フレームは複数の画像からできている
2種類のFPS
FPSの設定は表現したい意図によって値を変える必要があり、FPSは動画編集ソフト側(ベースタイムラインFPS)とカメラ側(撮影時のFPS)でそれぞれ設定します。
例えばスローモーションは「撮影時FPS」と「ベースタイムラインFPS」の差によって表現されています。
タイムラインのFPS
動画編集ソフト側のFPS値(フレームレート)を決めるにあたり、FPS値による仕上がりの違いについて簡単に把握しておく必要があります。
フレームレートが高くなるにつれ、多くの画像で表現されるため映像が滑らかになります。
24fps:映画
24fpsは、映画撮影の時に使用される事が多いフレーム数です。Cinematicでお洒落な雰囲気のVlog等でも使用されている方が多い様です。代表的なシネマティックVlogですと大川優介さんのYouTubeが参考になります。大川さんの解説動画の中でも多くのシーンを24fpsで撮影している旨公表されています。
以下は実際に私が撮影してきたVlogです。「SONY VLOGCAM ZV-1」で撮影を行いました。24fpsで日常を撮るだけで少しシネマティックな雰囲気になっているかと思います。動画中に出てくるスローモーションは、120fpsで5倍です。本当に空いた時間に何の計画もなく流しで撮っただけなので複雑なトランザクション等はしておりません。リアルに動画日記という事でご参考いただけると幸いです。
30fps:テレビ番組
30fpsは、人間の視覚に近い自然な仕上がりになるフレーム数と言われています。テレビ番組やホームビデオ等広く利用されている設定です。私も特段シネマテックにしたい場合を除いては仕上がりを30fpsにします。例えば次の動画「踊ってみた」の撮影では30fpsで編集をしています。
その他
その他、動きの早い被写体を滑らかに表現したい場合「60fps」や「120fps」を使用する事があります。高性能のゲーム機「PS4(Pro)」では、1080p:60fpsと高い品質で動画配信する事ができる様です。高いフレームレートに対応できれば、グラフィックが滑らかにヌルヌル動くという効果が得られます。
撮影時のFPS
撮影時FPSはカメラ側にも設定する必要があります。設定はカメラによって若干異なりますが、ここ数年で出た日本で購入できる物については基本的に同じでのでまずは仕組みから確認していきましょう。
撮影時FPS値の決め方
撮影時のfpsについては、「仕上がり」に合わせて設定する必要があります。動画編集ソフト側のFPSと相性が悪い設定だとコマが飛んでしまいカクカクした不自然な動画になってしまいます。
上記の様に、30fpsで撮影したモノを24fpsで仕上げようとすると「6コマ」余ってしまい編集ソフトは余った部分のコマを自動で飛ばし24コマにして合わせようとします。この「コマ飛ばし」の部分で絵に繋がりが若干なくなってしまい不自然な仕上がりになってしまう事があります。
ですので、原則として割り切れる数字(小数点を含まない)のfps値で撮影する必要があります。
例えば、編集で設定したフレームレートが「30fps」なのであれば、撮影時FPSは「30,60,120fps」、編集「24fps」の場合は「24fpsか120fps」等で撮影すれば良いという事になります。割り切れる数字の場合は編集ソフトが均等に間引きしてフレームレートに合わせてくれるのでカクツキは生じません。
30fps,29.97fpsの問題
図の様に撮影時に30fpsの設定で撮ったものが動画編集ソフトへ読み込ませた際に「29.97fps」と表記される場合があります。結論からいえばこれは特に問題ありません。モノクロテレビがカラーテレビに変わった際にドロップフレームという方式でフレームレートを合わせる仕組みについてお調べいただければ解決するかと思いますが、「近い値」を選択すれば問題ないという事になります。
24fps | 23.976fps |
30fps | 29.97fps |
60fps | 59.94fps |
ビットレートの選び方
以下は、SONYα7R3(ILCE-7M3)またはSONYα7R4(ILCE-7M4)の場合の設定値についてSONY公式での記載です。
カメラ側でFPSの設定を行う際はビットレートも同時に選択する仕様となっています。
ビットレートが高ければより高画質でデータ量が多いと理解していただければ問題ありません。
ですので、4K(3840×2160)で編集を30fpsで行う場合、「30p 100M(30fps約100 Mbps)」 が最も高画質に仕上げたい時の適切な設定という事になります。
実際は、YouTube等へ投稿する場合、編集ソフトでビットレートを落とし動画を軽くし再生しやすい様に調整します。
また、別の記事で紹介しますが「スローモーション」で撮影する場合ビットレートが低いと画質が劣化する問題が発生しますので個人的には、PCのスペックが問題なければ一番高いビットレートで撮影するべきと考えます。
まとめ
・FPSとは、1フレームを表現するのに必要な画像数の単位
・「タイムラインのFPS」をベースに「撮影時FPS」を決定する
・ビットレートは高く設定した方が編集時自由が利く
以上、FPSの設定や諸問題についての解説でした。次回、スローモーションとFPSの関係についての記事を書いていきます。またよろしくお願いいたします。